新人スタッフによる、はじめてのストライダーカップレポート
まだ余韻が残っている。あの決勝レースの音楽と共に思い出される「何か」。
高揚感と緊張感、みんなの胸がつまるような思い、そんなものがごちゃ混ぜの「何か」。
普段こどもと呼ばれる年齢の人と接する時、無意識的にこどもだから守ってあげなければ、こどもだから助けてあげなければ、こどもだから、、、と思っていたところがある。
それはストライダーカップの現場に来て覆された。
彼らはひとりで出来るのだ。自分自身で出来る力を持っているのだ。
予選レース本番。
彼らは非日常の「レース」という場所で、「選手」として挑む。
黄色のスタート位置で小さな選手たちは横一列に並び、呼び出しの声に「はい!」と返事をし、まっすぐ前を向いて、静かにスタートの合図を待つ。
「Ready set go!」
バタンと重たいスタートゲートが開いた瞬間、こどもたちは一斉に蹴り出す。
みんなで、でもたったひとりで、ゴールを目指す。
中には転んでしまったり、いつもと違う雰囲気に戸惑ってしまったりする選手もいる。
悔しくても、怖くても、くじけそうでも、涙が止まらなくっても、それでも前を向いてゴールを目指す。
むき出しの感情があふれる選手たち。本気で挑むから悔しいし、うまくいくととても嬉しい。
私たち大人が出来ることは、手を貸すことをぐっと我慢して見守ること、そばで励ますこと。
それは選手自身の力を信じきること。
そして家族が待っているゴールへ、選手は自分の力でたどり着く。
「選手」はあっという間に、ただただにっこり笑う 「こども」に変わった。
予選を勝ち上がってきた猛者たちが集う決勝レースまで、もう間もなく。
みなぎる闘志と興奮と、祈るような気持ちが充満しているあの独特の空間がそこにはあった。
ついに頂点を決める一度きりのレースの火ぶたが切られる。
ストライダーカップの栄光は誰の手に、、、。
熱戦のストライダーカップは一旦幕を閉じた。
しかし、こどもも大人もまだ見ぬゴールへ走り出しているのかもしれない。